今日はCASAに行く最終日の前日だった。何人かには今日でお別れ。
いつも備忘録的な記事なので、今日は役に立ちそうな情報を少し紹介。
今回の滞在の初期の頃、調査のためにLondon Metropolitan Archives(LMA)に行った。名前はMetropolitanだけれど、実際に運営しているのは、大都市圏行政を担うGLA(Greater London Authority)ではなく、City of London(いわゆるシティと呼ばれる地域を管轄する自治体)。LMAは、基本的には開かれたアーカイブで、展示を目的とした資料館ではなく、図書館的な資料館。京都でいえば京都府立総合資料館のような施設。そのため、基本的にはLMAは誰でも使えるが、書庫資料を閲覧したり、コピーしたりするにはカード(History Card)を作る必要がある。開架でも多少の資料は閲覧できるが、日本からわざわざ見に行くような資料はほとんど書庫にある。今回、History Cardを作ったので、その際の簡単な手順をここにメモしておきます。必要な書類は大英図書館(British Library)と似たようなものなので、大英図書館に行きたい人の役にも立つんじゃないかと・・・。
まずはLMAの場所。基本的には公式サイトのリンクを参照。最寄りの地下鉄駅はFarringdonだが、駅からは10分~15分ほどかかる。ちなみにCity of Londonの範囲外。
建物の入口から入ると、まず受付(セキュリティ)。名前を書いた記憶がある(ちょっと覚えていない)。もしHistory Cardを持っていれば、そのカード番号も記入する。持ち込み手荷物用の袋をここでもらえる(ただし、できれば返して欲しいという張り紙がどこかにあったので、使用後に返した)。
入ったら2階(英国なのでfirst floor)に行き、持ち込める手荷物以外をロッカーへ。ここは休憩スペースにもなっている。飲み物の自販機はあるが、食べ物はなかったような(おやつ系もなかったはず)。
さらにそこから上の階にあがり、ようやく閲覧室へ。閲覧室には、リファレンス的な図書(辞書、索引等)と一部の資料が開架になっている。メディア資料もここで閲覧できる。また、History Cardを作るためのインフォメーションカウンターも、入ったところにある。というわけで肝心のカードの作り方。
必要な書類(日本ですること)
- 住所を証明するもの(もちろん英語)
- パスポート(これは本人証明用)
詳細はこのページを参照。パスポートは基本的に持っていけるとして、問題は1の住所を証明するもの。相手はもちろん英語しかわからないので(他の言語もわかるかもしれないが、日本語(+漢字)はかなりレアなので)、英語で住所が印刷してあるもので、かつサインのあるような資料でないといけない。今回は、入国時に見せようと思っていたシティバンクの残高証明があったので、LMAのページにある「Bank/building society statement」に何とか該当するだろうと思って、これを持っていった。シティバンクの残高証明は、日英併記だけれど、たまたま宛先住所は英語(ローマ字)で書かれていて助かった。もしシティバンクに口座がある人は、これを持っていくと意外な使い道(日本の住所の証明)があるかもしれないので、作って持ってくると便利。
事前の作業(インターネット)
カウンターまでの手順を書いておいて戻るけれど、LMAに行く前に、インターネットで登録をしておくと、現地でのやりとりが簡単になる。アクセス先は、このページの一番下。指示通りに普通に入力する。ただし、住所については、上記の2の証明書類に書いてあるとおりに入力する。ここで間違うと、証明書類が証明にならなくなる。ローマ字の打ち間違い、SHIとSIの違い、マンション名の英語(自分の場合、シティの残高証明では、マンション名の英語部分は英語になっていた)など、十分チェックしよう。入力が終わっても、特に印刷する画面などはないので、ちょっと不安になるが、エラーなどが出ていなければ大丈夫。
LMAでの手続き
インフォメーションカウンターで、History Cardを作りたい、と言ってから、パスポートを見せる。カードを作る専用の場所に導かれるので、そこでパスポートを見せると、担当者が名前を探してくれる(この間に何かやりとりをした気がするが覚えていない)。事前にインターネットで登録していれば、すぐに見つかるので、住所を証明する書類も提出(あとで返してくれるので、コピーを持っていく必要はない)。OKが出れば、そのまま顔写真の撮影をして、その場でカードが完成。学生証のようなHistory Cardが出来上がる(ちなみに、初めてCASAに来た時も、こんな感じの手続きで1分もしないうちにIDカードが作られていた。英国の大学や図書館にはこういうカードを作る機械(プリンタ的なもの)がよく置いてあるようだ。日本にも欲しいところ)。
あとは資料を検索して、申し込んで閲覧するだけ。残念ながらコピーをとるような資料はなかったので、コピーの仕方は不明。
ちなみに、大英図書館のサイトを見ると、資料の閲覧に必要なReader Passを取得するには、やはり住所を証明するものが必要なようで、その1つとして「Bank/Building Society Statement (no online/bank branch print-offs)」が挙げられている。基本的にはLMAと同じものを求められているようなので、シティバンクの残高証明を持っていくと大丈夫だと思われる(実験はしていないのでわからないが、かなり確実と思われる)。また、大英図書館では、日本人(日本語のわかる)担当者がいるときには、「Credit Card Statement」の日本語のもの(つまりクレジットカードの明細)があれば大丈夫らしいが、必ず日本人担当者がいるかはよく知らない。少なくともシティバンクの残高証明であれば、運悪く日本人担当者が不在(長期不在だったら大変)でもReader Passを作成できるはずなので、持っておいて損はないと思う。
また、前々回ぐらいに滞在したとき、Westminster City Archivesにも行ったけれど、ここはパスポートを出すだけで簡単なカードを作ってくれた。ただし、カードがなくても書庫資料を見たり、コピーはできた気がする。2年前の年末なので詳細は覚えていない。