MMMを使うと、異なる2時点間のデータを、一方の時点に集計し直すのが簡単にできる。ちょうど手元に1970年、1980年、1990年、2000年の市区町村別の国勢調査人口のデータがあったので、2010年時点の市町村で集計し直して、今回の速報値といろいろ比較してみた。
MMMのパラメータは、A時点が各年の10月1日、B時点が2010年4月1日(10月1日までに合併等はない)、政令市の扱いは、「政令指定都市を1つの市で出力」、対応表の基準時点はA時点、出力形式は1対1。手順は次のとおり。
1.生成されたCSVをダウンロードして、JISCODE1のコードを使って、VLOOKUPで人口データをもってくる。
2.もってきた人口にWEIGHTを掛ける。
3.ピボットテーブルなどでJISCODE2を基準にWEIGHTを掛けた人口を集計すると完成。
各年について集計し直して、完成したデータを見ると、ちょっと面白い。
1970年から2010年までの40年間に、最も人口が増加したのは横浜市で、145万人(65%)増加。次に増加数が多いのは札幌市で、90万人増加して191万人になっている。増加率で見れば、比較的大きな都市では所沢市、柏市、八王子市、相模原市、町田市などが2~2.5倍程度になっている。今回96万人に達した千葉市は約2倍。
一方で、大きな減少数を示すのは大阪市(-31万人、-10%)、尼崎市(-10万人、-18%)など。室蘭市は6万7千人減少し、2010年の人口は1970年の6割弱になっている。減少数の上位は、このほか呉市、北九州市、小樽市、夕張市、大牟田市、長崎市、函館市など、多くが重厚長大型の産業(造船、製鉄など)を抱える都市であり、これらの衰退とともに人口が大きく減っている。
あまり変化がないのは、特別区部(10万人増加)で、1990年代ごろまでにかけて大きく減少したものの、その後急回復(2000年以降で81万人増加)している。京都市も、1970年の142万人から、148万人、146万人、147万人、147万人で、ほとんど変化なし。2010年の人口に対する、1970年、1980年、1990年、2000年のそれぞれの時点の人口の比が0.95~1.05の地域を取り出すと、人口規模の比較的大きいところで、京都市、東大阪市、岐阜市、いわき市などがある。こういった地域はどんなところなのだろうか。学生が多いとか(京都市や東大阪市)、産業構成のバランスがとれているとか、そういうあたりが特徴なのかもしれない。人口の年齢構成や産業などをしっかり調べれば面白そうだ(時間があればやるかもしれない)。
2012 年 6 月 17 日
[…] 余談:このデータは、以前の記事で紹介した、国勢調査ベースの市町村別の1970年~2010年の人口データに、MMMの地図データから求めた重心点の経緯度を付与したもの。CSV形式で、エンコ […]