ArcGIS Onlineで京都市明細図を見る

Posted by kiri on 2012 年 5 月 25 日
GIS, Web, その他, 地図 / 1 Comment

さて、ArcGIS Onlineの続き。今日、ArcGIS Online上で作成していた『京都市明細図』のマップを公開した。

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京都市明細図 on ArcGIS Online

京都市明細図 on ArcGIS Online

京都市明細図は、京都府立総合資料館が所蔵している大縮尺(1,200分の1)の地図で、一昨年から立命館大学(文学部・矢野桂司教授を中心とするグループ)とデジタル化などに関する共同研究が進められてきた。京都市明細図は、昭和初期に作成され、戦後にも情報が書き加えられているなど、戦前・戦後の時期の京都の状況が反映された貴重な地図で、これまでに研究グループでは、ワークショップなどを開催してきた。

ちなみに、すでにGoogleマップ上に明細図を表示するサイトも公開されている(http://www.geo.lt.ritsumei.ac.jp/meisaizu/googlemaps.html、これは同僚の瀬戸寿一氏によるもの)。こちらは、PCでの閲覧が中心かもしれない。

直前の記事にもあるように、ArcGIS Online上で公開すると、iPadやAndroid端末のArcGISアプリを使って、地図にアクセスすることができる。京都市明細図も、もちろんiPadなどからアクセス・表示できるので、ぜひ利用していただきたい。GPS付きのAndroid携帯電話で見るのがオススメです。

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ArcGIS OnlineとiPadでフィールドワーク

Posted by kiri on 2012 年 5 月 22 日
GIS, Web, その他 / No Comments

最近、ArcGIS Onlineを積極的に使い始めた。ArcGIS Onlineはその名のとおり、ESRIが作ったサイトで、YouTubeの地図版といった感じのもの。ユーザーが独自の地図を作って、それを共有する、という仕組みは今までにもいくつかあり、Googleのマイプレイス(旧:マイマップ)や、これまで2回行ったUCLのCASAでもMapTubegemmaというサービスが作られている。

ArcGIS Onlineの有利な点をいくつか挙げると

  • 日本語対応
  • レイヤの重ね合わせが簡単
  • Bing Mapsなどのベースマップになるレイヤが利用できる
  • 自分で地図を作ることもできる
  • ArcGIS Serverで公開している地図もレイヤとして利用できる
  • iPhoneやiPad、Android携帯からも閲覧できる
  • 全員に公開しなくても、自分だけor特定のグループだけで閲覧できる

という感じ。ArcGISユーザにとって、何といっても便利なのは最後の3つ。ArcGIS Serverでは普段使うmxdファイルと地図データだけで地図の公開ができ、ArcGIS Online上で地図を作成するまでの操作もかなり簡単にできる。作成したマップをとりあえず自分だけ閲覧できる状態にして、iPadにArcGISのアプリをインストールして表示すれば、モバイル環境で地図データの閲覧ができる。モバイル環境での編集もできるようだけれど、これにはArcSDEサーバが必要らしい(まだ実験していない)。

ここ数日、iPadでいろいろと表示させてみて思ったのは、これを使うと、巡検やフィールドワークに非常に便利なのではないか、ということ。現地に行って、古い地図を見ながら昔の景観を想像する場合、現在地を古い地図上で探そうとすると、比較のための基準となる道路などがなかったりするので、どこにいるかわからなくなることが多い。ジオリファレンスされている、という前提が必要なものの、そういう地図データがあれば、ArcGIS Onlineなどを通じてiPad上のArcGISに表示すれば、GPSなどで現在地がわかるし、現代の地図のレイヤからも位置が想像できる。ArcGIS Onlineで地図を共有すれば、フィールドワーク・巡検の同行者も同時に地図を見ることができるし、例えば昔のことを聞き取るときなどに、調査対象者に地図を見せながら聞き取る、なんてことも簡単になるだろう。機会があればいろいろと実験してみたい。

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チューネン・モデル

Posted by kiri on 2012 年 5 月 17 日
その他, 授業 / 1 Comment

先週も授業関連の話を書こうとしたが、ちょっと時間がなかった。今週は、農業に関連する話として、チューネン・モデルを取り上げた。

チューネンの孤立国や地代曲線は、地理学に限らず経済学でも、基礎的な理論として扱われている。授業では、古今書院から発行されている「大学の地理学」シリーズの『人文地理学の基礎』を参考に、モデルの説明をした。本当は、University College LondonのCASA (Centre for Advanced Spatial Analysis) のウェブサイトで公開されているソフトを使って、チューネンモデルの仕組みをより視覚的に理解してもらおうと思ったのだけれど、情報教室でもないし、その部分だけに時間を割く余裕がなかったのとで、あきらめた。

チューネン・モデル

チューネン・モデル

画像は、そのソフトの実行画面。CASAのサイトで公開されているものの、英国Open UniversityのSteadman教授が主に初学者向けに作成したもの。都市をいくつか配置することができるし、河川や鉄道を引いて、輸送コストを変化させることもできる。また、非農業地域などを設定して、現実的な配置を考えたり、作物の市場価格を変えたりして、いろんな状況をシミュレーションできる。授業中でPCが使える環境下であれば、これを使ってかなりわかりやすく、チューネン・モデルを理解してもらうことができそうだ。

チューネン・モデルのような基礎的な理論・モデルを説明できる、こういうソフトウェアというのは結構あるんだろうか。地理の世界ではあまり聞かないような気がする。時間があれば何か作ってみたいところ。

自然堤防をGoogleマップで見る

Posted by kiri on 2012 年 5 月 5 日
Web, 地図 / No Comments

またまた授業のはなし。前回の授業で自然堤防の話をした。時間と資料の関係で、自然堤防の実例の紹介ができなかった。今日、ふとGoogleマップを見ていたら、ちょうど良い場所があったので紹介。


大きな地図で見る

場所は、越後平野のなかの新潟市と燕市の間ぐらいの地域。西(左)のほうを南北に走る県道383号沿いの集落は自然堤防上にある。国土地理院の2万5千分1地図情報閲覧サービスで見ると、自然堤防上は集落があり、畑も点在している。これは水はけがよいため。一方で、圃場整備されているものの後背湿地の土地利用はほぼ水田。この周辺は、都市化がそれほど進んでいないので、自然堤防を見つけるのが比較的簡単。題材としてはちょうどよかったかもしれない。

今更ながら、Googleマップは、授業でもいろいろ使えて便利。今回の場所は、解像度も比較的良く、色合いもちょうどいい感じで、自然堤防が一目瞭然でよかった。授業中も、津南町の河岸段丘とか、室戸岬の海岸段丘とかをGoogleマップの航空写真や地形レイヤを使って紹介した。ただし、地域によっては雪景色だったり(以前、福井の中心市街地は冬の航空写真で、白黒写真のようだった)、すぐ隣の地域で季節が違ったり、解像度が違ったりするので、すべての場所で使いやすいわけでもない。地形の分類ごとに、代表的な地域のGoogleマップへのリンク集とかがあると便利な気がするが、いつの間にか航空写真が更新されてしまうこともあるのでちょっと大変だろうな。Wikipediaのようなシステムがいいかもしれない。

地形図の色塗り

Posted by kiri on 2012 年 4 月 27 日
地図 / No Comments

先週の講義で、地形図の色塗りをした。きっちり色塗りをするのは久しぶりのような気がするけれど、けっこう楽しくて熱中してしまった。せっかくなので、色鉛筆で塗りかけのものの画像を載せます。

草津駅周辺の土地利用の塗り分け(1960年代終わりの状況)

草津駅周辺の土地利用(1960年代終わり)

草津駅周辺の土地利用の塗り分け(1990年代半ばの状況)

草津駅周辺の土地利用(1990年代半ば)

上は1960年代終わりの状況(国土地理院発行2万5千分1地形図「草津」(昭和46年発行)より)。下は1990年代半ばの状況(国土地理院発行2万5千分1地形図「草津」(平成9年発行)より)。ただし、どちらもスケールバーは入れていないし、倍率も適当なので、正しい距離を測ることはできない(本当は必要だけど、こういう場なので割愛しました)。

黄色は水田、赤線は市界、赤(面)は工場、青は水域。色を塗っているのは草津市内が中心なので、少し塗っていない部分がある。

水田が減少して市街地が広がったのが一目瞭然。また、天井川で知られる草津川は、どちらの図でも健在だが、下図の時点では新しい草津川が造られつつあった(現在はすでに完成)。駅前の工場(綾羽紡績)はなくなり、ショッピングセンターになっている(エイスクエア)。ほかの工場もいくつか消滅している。西草津二丁目にあった立石電機はオムロンに変わっている。鉄道も微妙に変わっていて、草津線(草津駅から東方向に分岐する路線)も経路が変わっている。

本当は、授業でもう少し新しい地形図を使いたかったのだけれど(平成9年発行なので、かなり古い)、「草津」の図幅に関しては平成10年発行のものが最新で、最近の地形図はなかったのであきらめた(すぐ南の「瀬田」については新しいものがある)。今の草津はもっと変わっているので、新しいものが出れば色塗りしてみたい。

 

ちなみに、これは投石器、ではなくて鉛筆削り。色鉛筆を削るのに大活躍。買ったのは英国ワイト島にあるCarisbrooke Castleの売店。最初は投石器のおもちゃとしか思わなかった(笑)。鉛筆削りの機能に気が付いたのはたぶん日本に帰ってから。結局は役に立ったのでよしとしよう。

ABBYY FineReader 11

Posted by kiri on 2012 年 4 月 25 日
その他 / No Comments

ABBYY FineReaderでこのサイトにたどり着く人がそれなりにいるようなので、ちょっと情報を追加。

年明けぐらいの記事で、FineReaderをAmazon UKで買ったということを書き、まだ日本では売っていないということも書いたのだけれど、よく探してみると日本でも昨年の12月から販売が開始されていたらしい。値段は13,650円で、Amazon UKで通常版を買うよりも少し高いぐらいのはず(前回購入したのはアカデミック版)。Amazon UK自体はPCソフトを海外発送してくれないので(前回は英国で受け取り)、英国にたびたび行く人でもない限り、トータルでは十分安いだろう。

英国からの帰国後に大学のPCにインストールしたけれど、まだ実際にOCRをかけるところまでは使っていないので、レビュー的なことはできない。ただ、バージョン11から、インタフェースが日本語になったので(10までは日本語をOCRできたものの、インターフェースは日本語非対応だった)、より多くの人が使いやすくなったかもしれない。近いうちに使う用事があるので、特筆すべきことがあれば記事にします。

科研費

Posted by kiri on 2012 年 4 月 24 日
その他 / No Comments

4月の初めに連絡があったのだけど、科研費のデータベースに内容が載ったので、研究テーマのページに新しい採択課題の内容を追加した。

研究テーマのページが素っ気なく、あまりわかりやすい内容ではないので、連休ぐらいをめどに図などを入れて研究関連の内容を充実させる予定。

トップ画像入れ替えと宣伝(地域の安全安心マップコンテスト)

Posted by kiri on 2012 年 4 月 8 日
お知らせ / No Comments

4月に入り,明日から授業開始。今年度は担当授業が1つ増えたので,準備が少し大変になりそう。

今日はちょっと余裕ができたので、サイトのトップ画像を変えてみた。ブルックリン側から撮ったローワーマンハッタンの写真。これまでのトップ写真と同様、多少Photoshopで加工(ビルのゆがみがひどかったので)。ついでに業績一覧も一部修正。いつのまにかいくつかの論文がオンラインで見られるようになっていたので、リンクを追加。

さて本題。記事タイトルのとおり、立命館大学歴史都市防災研究センターでは「第6回 夏休みにみんなでつくる地域の安全安心マップコンテスト」を開催中。

応募できるのは小学生のみなので、ここを見ている人は基本的に対象外と思いますが、興味がある方は下記のウェブサイトを参照のうえ、応募をご検討ください。

夏休みにみんなでつくる地域の安全安心マップコンテスト
http://www.rits-dmuch.jp/jp/project/mapcontest/index.html

英国からの帰国報告ほか

Posted by kiri on 2012 年 3 月 25 日
お知らせ, ロンドン, 学会発表(国内) / No Comments

遅くなりましたが、2か月半にわたる英国生活(うち1週間はニューヨーク出張)を終え、3月上旬に無事帰ってきました。日英の関係者のみなさまありがとうございました。 Thank you very much for your kindness!

ロンドンはこれからオリンピックに向けて宿代等々どんどん上がっていくので、オリンピックが終わればまた行きたいと思っています。

さて、今は学会発表に合わせた資料調査のために東京に滞在中。今日は都立中央図書館。思ったよりいい資料を発見できた。分析に使えるレベルかはわからないが、今後の研究の参考になりそうだ。明日ももう少し資料収集。

学会は、首都大学東京で開かれる日本地理学会で、発表は水曜日の午前中の最後。準備はもう少しといったところ。

来年度は、授業が1コマ増えるので、ちょっと余裕がないかもしれないけども、このサイトの移転(できれば独自ドメイン取得)と、地理学、地理情報関連のコンテンツを増やすこと考えてます。こうご期待。

ニューヨーク出張:学会発表とAT&TのSIMで通信

Posted by kiri on 2012 年 3 月 1 日
その他, ニューヨーク, ロンドン / No Comments

英国生活もあと数日だが、一週間、ニューヨークに学会発表のために出張していた。昨日の夜に英国に”帰国”。最近は「SIM日記」になっているが、とりあえずのメモとして再びニューヨークでのSIMの話を。

ニューヨークのホテルは、部屋でのインターネットが有料のところが結構あり、泊まったホテルでは1泊15ドル程度。ただし、ロビーだったり宿泊者用のラウンジだったりでは、無料でインターネットができるので、それほど大きな問題ではない。でもやっぱり、外でインターネットとなると、ポータブルWiFiに頼らざるを得ない。

今回も、事前にAT&TのSIMが買えないことはないことを、以下のようなサイトから把握。

http://heydays.org/2010/12/portable-wifi-plus-att-prepaid-sim.html

http://motosumiyoshi.cocolog-nifty.com/gyoumuyo/2011/07/attsimnttlink-6.html

自分の発表が終わって、少し余裕が出てきたころに買いに行った。ホテルの目の前にAT&Tの店があったので、行ってみたら、「SIMのみはない」という回答。光ポータブルを見せてしまったせいかもしれない。というわけで断念。

http://www.blogfromamerica.com/wp/?p=1099

のサイトを見て、気を取り直して別の日に、近くのBest Buy(米国の家電小売店)で、SIMカード付き電話を購入。定価が14.99ドルで、プラス税金も。またSAMSUNGを買ってしまった。一番安かったので。型番はSGH-A107らしい。電話よりも、SIMを使って、早速GoPhoneの開通手続きをした。さらに500MB分のパッケージも購入。これは25ドル。ここまでは至って順調そのもの。そしてAPNを設定した。これが一番の難所だった。

これまでに紹介したサイトでは、ユーザ名などの設定があるが、結論を言えば、APNにwap.cingularを設定するだけで動いた。ユーザ名やパスワードを設定して、何度か接続テストを試みたが、結局通信できず。最後にAPNのみにした状態で、試しに光ポータブルを再起動したら、接続できた。というわけで、最低限、APNだけ設定すれば大丈夫なようだ。その後、1週間の滞在中、SIMを使ったのは5日ぐらいで、頑張って使って150MBほど消費。500MBもいらなかったかもしれない。しかし、AT&Tの電波状況がよくないのか、光ポータブルが不調なのか、電波が通じにくい場所が多かった。路上はたいてい大丈夫だったが、地下鉄はだめ(これは仕方ない)、建物(学会会場)の奥のほうもだめ。少し意外だったのは、超高層のビルでも問題なかったこと(地上100mぐらいのホテルの部屋で通信できた)。

さて、こういうわけで、英国(Vodafone、3(Three))と米国(AT&T)でSIMを購入して、光ポータブルに入れて、動作の確認ができた。旅行や出張でも、この2か国では基本的にどうにかなることがわかった。ちなみに、英語力はそれほど必要なく、基本的にはSIMが欲しいぐらいしか言っていない(笑)。さらに、英国では店頭にはSIMがないので店員と話して入手する必要があるが、米国では電話機とともに普通に売っているので、この場合、レジでのやりとり(アクティベーションはしなくていいのか(店員が聞いてきた)、とか)しかなく、ほとんど英語は不要。

日本に帰ったらb-mobileのSIMを更新しないと。あるいは、もうauのテザリングのみにするか。どうしようか。